専用初期設定:仕様
各部位の構成材料を登録して実質熱貫流率を求め、熱的境界の仕様として登録します。
メモ
- 例えば、断熱仕様選択・壁ダイアログなどで断熱の仕様を選択する際、「編集」をONにして変更すると、専用初期設定の内容も変わります。

熱的境界の仕様を登録するにはA560120_ssy_sec01
ここでは、「専用初期設定:材料」の「ユーザー材料」で登録した材料を使って、断熱の仕様を登録する手順を解説します。
グループ | 仕様の登録方法 | |
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外壁1 外壁2 床 天井 屋根 その他1(計算) その他2(計算) |
「仕様設定」をクリックして、「仕様設定」ダイアログで仕様等を設定します。 「外壁・床・天井・屋根・その他1・その他2の仕様等登録手順」を参照してください。 |
建具1(2020/04~) 建具2(2020/04~) 建具3(2020/04~) 建具4(2020/04~) |
「仕様設定」をクリックして、「建具仕様設定」ダイアログで仕様名と各付属部材使用時の熱貫流率を設定します。 (一社)日本サッシ協会から掲示された簡易的評価による窓、ドアの熱貫流率が登録されているグループです。 欄間付き、袖付きのドア、引戸には適用できません。 |
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構造熱橋部 その他3(入力) その他4(入力) |
「仕様設定」を使用できません。直接「仕様名称」「平均熱貫流率」に入力します。 |
外壁、床、天井、屋根、その他1・2の仕様等登録手順
- 「グループ」で登録する仕様一覧のグループを選びます。
- 一覧で登録する行を選びます。
- 「仕様設定」をクリックします。
- 「仕様設定」ダイアログで、仕様の名称を入力します。
- 断熱材の施工法を選びます。
※「ユーザー設定」を選んだ場合は、「部位区分」や「面積比率」を設定します。 - 「室内側表面熱伝達抵抗Rsi」で室内側、「外気側表面熱伝達抵抗Rse」で外気側の表面熱伝達抵抗値を設定します。
- 仕様を構成する材料を、セルをダブルクリックします。
- 「材料選択」ダイアログの「ユーザー材料」から選びます。
※「材料選択」ダイアログの「ユーザー材料」には「専用初期設定:材料」で登録した材料および空気層が表示されます。
※ 断熱材以外の躯体、面材は、3ページ、4ページ目に登録されています。 - 選択した材料の部位(断熱部/熱橋部)を設定します。
断熱材が入る部分は「断熱部」、入らない部分は「熱橋部」にチェックを付けます。断熱部と熱橋部の両方に含まれるときは両方にチェックを付けます。 - 算出された「平均熱貫流率」を確認して、「OK」をクリックします。
- 仕様の一覧に、名称と実質熱貫流率が登録されます。
メモ
- 一覧に登録した仕様は、
「上へ」
「下へ」で上下に移動できます。
- 「材料選択」ダイアログの「内容編集」をONにすると、一覧に登録されている材料または空気層の移動や各項目の変更が可能になります。ここで変更すると、「専用初期設定:材料」に登録されている内容が変更されます。
- 仕様をコピー、移動、削除するには、「仕様一覧」で右クリックして「コピー」「切り取り」「貼り付け」「削除」でおこなうことができます。また、「行挿入」「行削除」で表示順を変更することもできます。
ただし、最終行にデータがある場合は、以下の確認画面が表示され行挿入はできません。 - 「外壁」「屋根」で「令和4年4月以降は使用できない計算等が存在します。」と表示された場合は、赤字の仕様をダブルクリックし、「仕様設定」ダイアログで「断熱材の施工法」を「(旧)~」以外の施工法にして設定してください。赤字の仕様を使って計算をする場合は、「シミュレート」コマンドなどの実行時に確認画面が表示されます。
「Information」から確認してください。

メーカー断熱材を使用して仕様を登録するにはA560120_ssy_sec02
使用するメーカーの断熱材を登録する前に、メーカーの断熱材のデータをインポートする必要があります。
「メーカー断熱材(ghz)取り込み」を参照してください。
- 「グループ」で登録する仕様一覧のグループを選びます。
※ メーカーの断熱材を登録できるのは、外壁、床、天井、屋根、基礎です。 - 一覧で登録する行を選び、「仕様設定」をクリックします。
- 「仕様設定」ダイアログでセルをダブルクリックします。
- 「材料選択」ダイアログの「メーカー断熱材」をONにします。
- メーカー、シリーズなど検索する断熱材の条件を設定します。
- 登録する断熱材をダブルクリックします。
- メーカーの断熱材のタイプによっては、「d」(厚さ)を変更します。
※ 断熱材によっては変更できないものもあります。

「グループ名称変更」ダイアログの機能A560120_ssy_sec03
「名称設定」をクリックして「グループ」に表示する名称をON/OFFで設定します。また、グループ名称の変更もおこなえます。
メモ
- 「表示」がOFFであっても、すでに設定されている仕様については自動配置や計算などがおこなえます。
- 名称変更で入力可能な文字数は半角60文字です。

「仕様設定」ダイアログの機能A560120_ssy_sec04
「仕様設定」ダイアログは、「グループ」が「外壁1」「外壁2」「床」「天井」「屋根」「その他1(計算)」「その他2(計算)」のときに表示されます。
また、「外壁」「屋根」のときは、「(旧)付加断熱の施工法を表示」のチェックボックスが表示されます。
次は、「断熱材の施工法」が「ユーザー設定」のときのダイアログです。
仕様名称 | 材料を構成する仕様の名称を入力します。入力した名称が仕様リストに表示されます。 | ||||||||||||||||||
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仕様一覧の上、または下の仕様に移動します。 | ||||||||||||||||||
断熱材の施工法 | 工法別の施工法を選びます。 登録する境界グループ(外壁、床など)によって表示される施工法が異なり、選択した施工法によって「部位区分」や「面積比率」が設定されます。 任意の値を設定したいときは「ユーザー設定」を選びます。 ※ 部位によって断熱材の施工法は異なります。下図は「外壁」の断熱材の施工法です。 ![]() 下記の施工法は、令和4年4月以降使用できません。 外壁 ・「(旧)木造軸組構法:柱・間柱間断熱+付加断熱(横下地)」 ・「(旧)木造軸組構法:柱・間柱間断熱+付加断熱(縦下地)」 ・「(旧)枠組壁工法:たて枠間断熱+付加断熱(横下地)」 ・「(旧)枠組壁工法:たて枠間断熱+付加断熱(縦下地)」 屋根 ・「(旧)木造軸組構法:垂木間断熱+付加断熱(横下地)」 ・「(旧)枠組壁工法:垂木間断熱+付加断熱(横下地)」 ※ グループで「外壁」「屋根」のときに赤字の仕様を選択し仕様設定ダイアログを表示した場合は、「(旧)付加断熱の施工法を表示」がOFFでも選択リストには(旧)仕様が表示されます。 ![]() |
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部位区分 面積比率 |
「断熱材の施工法」で「ユーザー設定」以外を選んだ場合は、固定値になります。 「断熱材の施工法」で「ユーザー設定」を選んだ場合、「部位区分」のセルをダブルクリックして任意の名称を登録できます(10列まで)。設定した部位区分に対して「面積比率」で比率を入力します。 断熱部(一般)/熱橋部について 例えば「天然木材」は熱橋部であるため、「熱橋部」だけをONにして、断熱材は「断熱部」だけをONにします。 合板など壁全体に貼られるものは、断熱部と熱橋部の両方に含まれることになるため、「断熱部」と「熱橋部」の両方をONにします。 ![]()
・面積比率は、(国研)建築研究所の「建築物のエネルギー消費性能に関する技術情報」に記載されています。 ・「面積比率」の合計が「1.0」以外の場合は、熱貫流率を計算できません。 |
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室内側表面熱伝達抵抗Rsi | 室内側の表面熱伝達抵抗値(m2K/W)を入力します。 登録する境界グループ(住宅の部位)に応じて、次の値を入力します。
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λ、d | 選択した材料の熱伝導率(λ)と厚さ(d)が表示されます。 厚さ(d)は、セルをダブルクリックまたはF2キーで、値(㎜)を変更できます。 ※ここで、材料の厚さを変更しても、「材料選択」ダイアログに登録されている厚さは変更されません。 |
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D/λ | 各材料の熱貫流抵抗値(D/λ)が表示されます。 熱貫流抵抗に加算する部位区分(断熱部、熱橋部)にチェックを付けます。 ※ 厚みは、m単位で計算されます。 ※ 熱貫流抵抗値の丸めは、「専用初期設定:丸め」の「材料の熱抵抗値」で設定します。 |
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外気側表面熱伝達抵抗Rse | 外気側の表面熱伝達抵抗値(m2K/W)を入力します。 登録する境界グループ(住宅の部位)に応じて、次の値を入力します。
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熱貫流抵抗 | 断熱部、熱橋部それぞれについて、熱伝達抵抗Rsi・熱伝達抵抗Rse・各材料の熱貫流抵抗値の合計を表示します。 各材料の熱貫流抵抗値は、部位区分別にチェックを付けた材料のみ加算されます。 |
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熱貫流率 | 断熱部、熱橋部の「熱貫流抵抗」の逆数を表示します。 | ||||||||||||||||||
平均熱貫流率 | 断熱部、熱橋部の「熱貫流率」と「面積比率」の積の合計を表示します。この値が仕様リストの「実質熱貫流率」に登録されます。 | ||||||||||||||||||
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選択した材料、空気層を上下に移動します。 | ||||||||||||||||||
材料 | 「材料選択」ダイアログを開いて、仕様を構成する材料、空気層を選びます。![]() |
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削除 | 選択した材料、空気層を取り消します。 | ||||||||||||||||||
外張断熱又は付加断熱で下地あり (熱抵抗R=D/λ×0.9) |
外張断熱または付加断熱で下地材などにより断熱材を貫通する場合は、下地のある断熱材の熱抵抗を0.9倍にします。一覧から対象の断熱材を選択してから、この項目をONにします。![]() ※2021年4月から付加断熱の面積比率が削除され、付加断熱に下地材がある場合は断熱材の熱抵抗に0.9倍を乗じた計算方法になりました。 |

「建具仕様設定」ダイアログの機能A560120_ssy_sec05
「建具仕様設定」ダイアログは、「グループ」が「建具1~4(2020/04~)」のときに表示されます。
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仕様一覧の上、または下の仕様に移動します。 |
名称 | 建具とガラスの組み合わせの仕様名称を入力します。 入力した名称が仕様リストに表示されます。 |
付属部材なし シャッター・雨戸 和障子 風除室 |
付属部材なしと各付属部材使用時の熱貫流率を入力します。 |
付属部材による補正値は式より算出 | (国研)建築研究所の「建築物のエネルギー消費性能に関する技術情報」にある資料の「第三節 熱貫流率及び線熱貫流率」の「5.2.2
付属部材が付与される場合」「5.2.3 風除室に面する場合」に定める式より算出します。 この項目をONにすると、上記の式より算出した熱貫流率が「シャッター・雨戸」「和障子」「風除室」にセットされます。 |